振り返ると、人との出会いに恵まれた四年間でした。
入部のきっかけは新歓です。特にやることも決まっておらず、ボクシングが好きだからという理由だけで参加しました。そこで出会ったのが、一生尊敬し続けるであろう先輩達と同期です。
先輩達のかっこよさに惹かれ、勢いで入部したものの、ランニングは毎回ビリ、お世辞にもセンスがある方ではない僕は当時「元々教員になるために大学来たんだし、辛かったら辞めよう」と思っていました。しかしそんな思いも、本気でボクシングに打ち込む先輩達と、誰よりも練習するたった一人の同期を見て、次第に消えていきました。二年生で公式戦デビューし、2連敗した時も、もう辞めたいとは思いませんでした。
自分自身が本気になってからは、人生で一番充実した時間でした。初めて試合で勝った日、分不相応ながら後楽園ホールで試合した日、部の悲願であった3部昇格を果たした日、全ての日々が今の僕を支えてくれています。
先輩達が引退し部の中心となり、後輩ができた時、僕は、「先輩達がしてくれた以上に真摯に後輩に向き合おう」ということと「同期が目一杯ボクシングに打ち込めるように支えよう」という二つのことを誓いました。その思いは、引退する最後の試合に声援となって帰ってきてくれました。あの日僕は一生分応援されたと思います。だから今は、一生誰かを応援できる人間になろうと思っています。
ボクシングで本当に鍛えられたのは体だけでなく、心でした。敬い、与えられ、精進し、伝える。その廻り合いこそが一生の財産だと思います。
今僕は故郷の高校で教壇に立っています。幸せなことにボクシングにも携わることができています。
四年間で色々な人にもらった声援と優しさを、未来ある子供達へ繋げていきたいです。
これから入部するみなさんにも、ずっと誇れるような出会いがあることを願っています。